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2017年12月1日
日本スポーツ心理学会第44回大会 シンポジウム
女性ユースアスリートに対する心理サポートの現状と課題 女性アスリート心理サポートコンソーシアム構築に向けて

11月24日(金)から26日(日)までの3日間、大阪商業大学にて「日本スポーツ心理学会第44回大会」が開催されました。

大会初日にはスポーツメンタルトレーニング指導士資格委員会の講習会・研修会が行われ、同学会資格委員長である本学の土屋裕睦教授・学長補佐が「スポーツメンタルトレーニング指導士の役割と倫理」、同学会長である本学・荒木雅信教授が「メンタルトレーニングの展開と評価」というテーマでそれぞれ講演を行いました。

同日夕方からは会員企画自主シンポジウムと題して、5会場に分かれて5つのシンポジウムが開催されました。その中で「女性ユースアスリートに対する心理サポートの現状と課題  ―女性アスリート心理サポートコンソーシアム構築に向けて―」というテーマの会場では本学学長室女性アスリート育成支援プロジェクトコーディネーター・片上絵梨子氏がファシリテーターを務め、話題提供者として巽樹理氏(追手門学院大学)、栫ちか子氏(鹿屋体育大学)、奥野真由氏(久留米大学)、山田香氏(日本スポーツ振興センター)の3名が登壇しました。

冒頭、片上氏が「近年、女性アスリートの活躍というのは目覚ましいものがあります。一方で無月経や疲労骨折の問題、妊娠・出産とスポーツをどう両立させていくか、ハラスメントの問題なども最近取り上げられていると思います。こういった女性アスリート特有の課題を解消し、より女性が競技をしやすい環境を作っていくことが必要として、スポーツ庁が『女性アスリートの育成・支援プロジェクト』と題したさまざまな大学、研究機関に同プロジェクトを委託し進めています」と女性アスリートを取り巻く現状を説明。本学はその中で心理面のサポートに特化し,心理サポート実践プログラムの開発,心理サポートコンソーシアムの形成を目指していることを紹介しました。

片上絵梨子プロジェクトコーディネーター

片上絵梨子プロジェクトコーディネーター

シンポジウムの中では各パネリストが選手時代の実体験や現在それぞれが行なっている女性アスリートへのサポートや研究活動などを発表。その後の質疑応答では、女性アスリートを指導する参加者から、選手や指導者の人間関係や選手の体重管理についての質問があり、話題提供者それぞれの立場から回答しました。

また奥野氏が自らも執筆者の1人として関わった国立スポーツ科学センターが発行する「成長期女性アスリート指導者のためのハンドブック」について紹介するなど、女性アスリートをサポートするにあたっての具体的な施策についてなども提示・提案され、熱心にメモを取る参加者の姿が見られました。

成長期女性アスリート指導者のためのハンドブックについて話す奥野真由氏

成長期女性アスリート指導者のためのハンドブックについて話す奥野真由氏

シンポジウム終了後のアンケートでは「女性アスリートの心身の課題、その考え方、向き合い方、多岐に渡る内容を考えることができました。地元で共有したい」「ハンドブックを読んで今後の指導に活かしたい」など前向きな声が多数寄せられていました。

なお、同シンポジウムは、「スポーツ庁委託事業「女性アスリートの育成・支援プロジェクト」(女性アスリートの戦略的強化のための調査研究)の一貫として行われました。

「女性アスリートの育成・支援プロジェクト」については、こちら​を参照ください。