2017年10月24日 強いレスラーである前に、優れた人間であれ
レスリングを通じた人材育成で社会に貢献したい

大阪体育大学浪商高等学校レスリング部顧
西尾 直之

大阪体育大学浪商高等学校
レスリング部顧問

西尾 直之

2016年、大阪体育大学浪商高等学校レスリング部顧問に就任した西尾直之先生。10年以内に日本一になるという高い目標を掲げ、中学・高校・大学の10年間を一貫して教えることができるチームの核をつくっています。西尾先生が思い描く、レスリングを通した人格形成とその夢について語ってもらいました。

高校生・大学生の部員と汗を流す日々

父がレスリングのコーチだったので、幼い頃からレスリングには親しんでいましたが「オリンピックに出たい」と思い始めたのが中学校3年生。オリンピックで2度審判をされている芦田隆治先生が監督をしていた大阪市立高校のレスリング部に入部しました。

そこで本格的にレスリングに打ち込み、高校3年生のとき17歳以下のアジア大会で3位、高校最後の国民体育大会で優勝することができました。しかしその後大学でもレスリングは続けたのですが、高校時代以上の結果は残せませんでした。

芦田先生の影響もあり、教師を目指し社会科の教員免許を取得。大学卒業後から6年間、神奈川県立の工業高校で教壇に立ちました。ちょうどレスリング部は5年後の地元開催となるインターハイを目指して強化をしている最中で、私も顧問として指導にあたることになりました。県内にはレスリング強豪校がたくさんあり、しかもウチの学校は高校からレスリングを始めた部員ばかり。それでも試行錯誤を繰り返した結果、インターハイ個人で準優勝、団体ではベスト8に。目標にはわずか及びませんでしたが、レスリングを指導することに対しての大きな自信にはなりました。

2016年より縁あって浪商学園で教鞭をとることになり、レスリング部顧問に就任。現在高校生5名、大学生4名の9名の部員と一緒に汗を流しています。

10年間で日本一のチームを作り上げる覚悟

ヨーロッパではクラブチームに所属しスポーツをすることが主流で、小さい子どもからトップ選手までが一つの環境で練習をしています。常に「あんな選手になりたいな」と憧れの選手を間近に見ながら鍛錬し、強い選手に成長するという流れができているんですね。

それでいうと本学のレスリング部は、中学3年間、高校3年間、大学4年間の計10年間を一緒に過ごし、さらには小学生のチームもある。つまり小、中、高、大が一つの同じ環境で練習ができるという、多分全国でここにしかないヨーロッパ型の練習環境が整っています。もちろんそれゆえの難しさもあると思いますが、私はそのメリットを生かし、今までの日本にはなかった新たな指導で選手を育てていきたいと考えています。

当面のチームの目標としては、まずは来年のインターハイで大阪代表になること。個人戦も半分以上が浪商学園の選手という状況に持っていきたいと思っています。そして私が顧問になって10年以内には日本一になります。大阪には戦力的に優れた強豪校がありますが、それを乗り越えるための努力をすることが大切。生徒たちには「もう後に引けないから実現するしかないぞ」と365日言い続けています。そして最終的には、オリンピックの金メダリストを浪商学園から輩出させたいですね。

大体大DASHを活用した人格形成教育を進める

大体大DASHという取り組みが始まり、私はレスリングの顧問として、体育・スポーツ系大学の部で教える教育者として、もう一度指導の在り方を見直すいい機会を得たと考えています。

スポーツには単にプレーをするとか、結果を出すという価値だけではなく、もっと大切な目的やゴールがあるのではないか。レスリングという競技を通して、本学のレスリング部を広く社会に貢献できる集団にするというところまで枠を広げたいという思いがあります。部員たちには将来「レスリングしかできません」という人間には絶対になって欲しくない。確かにオリンピック金メダリストを輩出するのも大きな目標ですが、それと同時に社会でも大きな活躍ができる人材を育てることが私の使命かなと考えています。

それには基本的な勉強ができること、人とのコミュニケーションがきちんと取れること、自分を素直に表現できることという根本を持った大人になることが大切です。そのために部員には、練習や試合の感想や今後の目標などについて、いろいろな場面で文章を書かせ、人前で発表する機会を与えています。

レスリングは個人スポーツですが、私たちはレスリング部というチームとして周りを意識し、人とつながることでそんな能力も養うことができる。大体大DASHのアカデミックサポートやライフスキルサポートをうまく活用して、部員たちの人格形成も図っていきたいと思い描いています。

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