2016年8月4日アスリートを「食」で支える
食事こそ、競技力向上の立役者

DASH担当スタッフ・
管理栄養士

奥村 友香  

DASH担当スタッフ・
管理栄養士

奥村 友香  

アスリートにとって食事とは、トレーニングと並ぶ重要なファクター。 DASHプロジェクトでアスリートの「食」をサポートするのが管理栄養士の奥村友香さんです。 スポーツと食事の大切さを栄養学のプロフェッショナルが語ります。

食事管理の知識は一生もの

トレーニングと勉強を両立しなければならない忙しい学生アスリートにとって、バランスのとれた食事管理を日々続けることは非常に難しいこと。しかし、食事はトレーニングの一環。身体の細胞を壊す作業のトレーニング後に、その修復の材料となる栄養の摂取は大変重要です。

また栄養補給は毎日の積み重ねなので、すぐに効果となって表れることはありません。しかし身体をつくる、怪我を防止するといったアスリートとしての食事管理は、長期的な継続が必要不可欠なのです。
特にアスリートの食事管理は、一般のものとは異なります。筋肉量や体脂肪のコントロール、試合に向けた特別な食事法など、いろんなパターンが存在します。それらも性別、体格、競技を踏まえた上でどのような方法が一番合っているのか、アスリート自身が把握し実践できるまでの知識をもつことが重要なのです。

食事管理がしっかりと身に付くと、一生をかけて健康な身体をつくることが可能となります。これだけ大切な栄養学を学べるのが大体大の強み。学生には在学中にしっかりと学んで一生の財産にしてほしいですね。

自発的に管理できる環境が重要

DASHでは特定の選手に栄養サポートをしています。この活動を通して私が目指しているものはひとつ、学生が自立した食事を摂るための自己管理能力を高めることです。栄養学の行き着く先はそこに限るのではないかと思います。

それを目指すためにDASHの栄養サポートでは、長期にわたりどのように取り組んでいけばよいか模索しなければならない部分も多くあります。食堂の改善というのも、ただ食事のメニューを変えるのではなく、その食事にはどのような栄養が含まれていて、摂取することによって身体にどう影響するのかを学生たちがしっかりと考える。そして、食堂でその知識を生かせるよう環境を整える。そうすることで、外食や合宿でも何を摂取すればよいかを考えるようになると思うのです。

理想としては、私がもつ栄養のセミナーで知識を付けてもらい、校内にある食堂や購買で実践できる環境をつくる。それによって、より多くの学生が自分たちで食事面を管理できるように目指してやっていきたいなと思っています。

食育を学んだアスリートが次世代を育てる

食事管理はやはり小学生から教えていくべきだと思います。ただ、私たちのように限られた期間しか指導できない場合、子どもたちの意識が継続できない場合があります。さらに、指導者によって食事管理の意識に差が出てしまうことも考えられます。

一方で子どもたちと直接関わる指導者の影響はとても大きい。それだけに指導者には、正しい食の知識をもつ義務があると思うんですね。大体大でDASHのような取り組みを行うことによって、スポーツ技術だけなく、栄養学もしっかりと学んだアスリートが増えていくでしょう。そのなかから将来、教員や指導者として子どもたちに指導し、スポーツ技術だけでなく、食の大切さをきちんと教えてくれる人が出てくると思っています。

このように、栄養学をしっかりと学んだアスリートが指導者となり、その指導者から教わった子どもがアスリートへと成長していく——。私たちの試みが、日本スポーツ発展をリードするひとつの歯車となり、好循環な育成体制ができるよう、微力ながらDASHプロジェクトを通じてアスリートをサポートしていきたいと思います。