2016年8月4日アスリートとしての「今」と
引退後の「未来」を見据えたキャリア指導

キャリア支援部長・
キャリア支援センター長

宮崎 光弘  

キャリア支援部長・
キャリア支援センター長

宮崎 光弘  

DASHのアスリート支援には、競技生活引退後の生活を築くためのキャリアサポートも含まれています。 キャリア支援部長・キャリア支援センター長として、 これまで多くの学生に寄り添い進路の相談に乗ってきた宮崎光弘先生に、 アスリートの将来設計と DASHとの関わり方について話を聞きました。

体育大学生特有のキャリア支援

私自身が母校である大阪体育大学に戻り、10年以上キャリア支援の現場で学生たちに接してきて感じるのは、総合大学に通う学生と比べて「社会人候補生」として資質に恵まれているということです。大体大の学生はスポーツやクラブ活動での経験を通して、協調性、行動力、コミュニケーション力、判断力、決断力、諦めない気持ち、タフネスさといった、社会に出たときに自分を助けてくれる能力を自然と身に付けているのです。

反面、スポーツに特化した専門大学であるがゆえに、一般教養や計算能力、語学力の面で、総合大学の学生と比較すると弱い部分があることは否めません。そこでキャリアサポートでは、どんな進路を選ぶにしても必要となる知識や能力を、繰り返し練習して身につけさせるカリキュラムを用意しています。

またグランドや体育館で大きな声で自己表現をすることは得意ですが、面接試験のような場面でのコミュニケーションは苦手な学生が多い。それを卒業するまでに身につけさせるのも、キャリア支援の重要な役割です。同時に「本当に自分にはどんな職業が向いているのか」と自己分析し、自分を知る作業も行います。気軽な会話を繰り返す中で、話術の練習をするだけではなく、自分の能力や適正を見出していってほしいと思います。

DASHが目指す、セカンドキャリアの指針

DASHプロジェクトにおけるキャリアサポートでは、すでに国内外のトップレベルで活躍するアスリートや、次代のトップを目指すアスリートが当面の対象となりますから、競技者としての第一線を退いた後のキャリア、つまりセカンドキャリアを見越した支援が必要になると思います。1年生のときから腰を据えて、マンツーマンに近い形で卒業まで関わっていくことになるでしょう。

アスリートの場合、一般的なサラリーマンが60代で定年を迎えるより早く「第二の人生」がスタートします。通常よりも長い時間、引退後に自分や家族の生活を支えなければなりません。アスリートとして自分の技能を磨くと同時に、そんな将来を考えるような導きをしないといけないと思っています。
どんな競技でも、引退後もその分野に携わり、生活できるほどの収入を得ているのは、ごく一握りのアスリートに限られています。また突然の怪我や、所属チームもしくはスポンサーなどの事情により、自分の意思とは関係なくプレーができなくなることも考えられます。現役中も引退後も、キャリアということでは非常に厳しい世界に進むわけですから、在学中からそのような発想、意識を持って授業に臨む姿勢を身につけてほしいと思います。

幸い体育大学の場合は、フィジカル、メンタル、栄養など、さまざまな分野のコーチングに関する勉強ができます。引退後でもスポーツの仕事に関わるためのノウハウや資格を持つことは可能なのです。また別の道として、教員免許を取得し引退後に教職に就く選手も多いでしょうが、教壇に立つときにアスリートとして世界を見てきた経験は大きな財産になります。そういうことを考えながら競技を続けられる学生、卒業生を指導し育てる。それもDASHの一つの役目と考えています。

大阪体育大学のキャリア教育についてはこちらのページでもご覧いただけます。