2016年8月4日DASH選抜アスリート・山本沙羅と二人三脚
DASHから生まれるバイタリティあふれる人材

女子柔道
松田 基子  准教授

女子柔道
松田 基子  准教授

全日本学生柔道体重別選手権大会において、
創部50年で初の日本一の座を手にいれた山本沙羅選手(柔道女子78kg超級)。
DASH選抜アスリートに選出された山本選手を指導するのが松田基子准教授です。
2020年に向け、日本女子柔道重量級次代のエースとして成長する彼女に、指導者の立場から与えられることとは—。

山本沙羅を世界に通用する選手を育てる

山本沙羅選手は、3年時に私の予想を超えたブレイクをしました。4月の全日本女子柔道選手権大会での初出場3位から始まり、全日本学生柔道体重別選手権大会では創部50年で初の日本一を成し遂げました。学生女子柔道界の頂点に立った今、当然私の要求も高くなります。まずは今年10月のインカレで2連覇。追われる立場となった山本は、去年と同じでは勝てない。今を上回るだけの意識をもたなければならないでしょう。

またリオオリンピックが終わると、ベテランの選手の世代交代となります。その枠を狙うために、11月の講道館杯でしっかりと名乗りを上げられるレベルになってほしい。まずは今やっていることをベースに、鍛えた上でもっと身体を大きくすることが必要です。それにはトレーニングに加え、食事管理を徹底しなければなりません。技術的な部分でも、研究をして対戦に臨む相手を上回るだけ技量をつける必要があります。

山本が本学で柔道ができる時間は残り10ヶ月。卒業後も柔道を続け、東京オリンピック出場を公言しています。甘くはないですがチャンスはある。新たなステージでも十分やれるよう、大学全体でバックアップし送り出したいと思っています。本学から卒業してからも彼女が活躍し、オリンピックに出場する。そんな夢を実現してくれると信じています。

社会で必要な要素をもつスポーツ

スポーツを幼少から続けている子たちは「勝ちより負けの方が多い」ことをわかっています。多くの人は敗者であり、チャンピオンは一握り。特に柔道は勝ち負けがはっきりと出るスポーツです。
負けたからといって腐らず、それを受け入れて前向きに取り組み続けることで強くなるのです。それはまるで、これから社会で人生を送る前の疑似体験といえます。負けから這い上がり、次の一歩を踏み出すことはそれなりのバイタリティが必要。それこそ、生きていく上での成長につながると思っています。真剣にスポーツに取り組んでいる人は、粘り強さや我慢強さをもっていて、実際の社会でも役に立つでしょう。

かくいう私も大体大の卒業生。そのため体育大学の学生の理想に共感できることが多くあります。成功か失敗かは競技でいえば勝ち負け。トータルで勝ちが多ければ幸せかといわれれば、そうでもないのです。努力してきた過程も含めて、成長したものを活かしていくことが本当の幸せだと思っています。柔道で体格が小さな子は、大きな子より投げられている数は多いでしょう。しかし投げられることによって、その子は得るものは多くあるのです。私が競技の実績だけでなく、それ以外の部分を大切にする理由はそこにあるのです。

社会人をつくるDASH

競技者として体育大学に入学した学生が、競技力向上のため、上を目指すことは当たり前のこと。私はただ競技が強いだけでなく、社会に出たときに、必要とされる人間を育てること目標にしています。人生を長い目で見たときに、トップレベルで競技をするのは人生の一時です。競技を終えた後、社会で役に立つような人間になりたいというのがゴールだと思っていますので、引退後も幸せに暮らすことができるようになるのが理想です。

DASHという、大学全体としてトップアスリートを育成していこうという動きの中で、柔道部から山本が選ばれたことはとても光栄なことです。まだまだ現場からすべての要求が通るのは難しいですが、少しずつ改善を図って進んでいます。具体的に山本にしているのは、トレーニングのサポート。彼女に特化して必要なことを、DASHにより専門の先生に具体的な依頼をできるようになりました。

これからもさらにサポートの幅を広げることによって、選手に対し集中的に指導ができるのを非常に楽しみにしています。DASHの可能性に期待しています。

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