2016年8月4日目指すは全種目金メダルと世界記録
自分の経験を子どもたちの勇気に!

水上競技男子
金持 義和  選手

水上競技男子
金持 義和  選手

2013年に開催された、ろう者のオリンピックである『夏季デフリンピック競技大会』の
50m背泳ぎにおいて世界新記録で優勝。名実ともに世界的なアスリートとなった金持義和選手。
現在大阪体育大学大学院で研究と練習に励む毎日を送っています。
大手事務所ともプロとしてマネジメント契約を結んだ彼が見据える将来について聞きました。

嫌いだった水泳を好きになった理由

スイミングスクールでコーチをしていた母の影響で始めた水泳。母によると、最初にプールに入ったのは生後8ヶ月の頃だったそうです。そこからずっと泳ぎ続けているので、年齢=水泳歴という感じですね。
小学生の頃は全国大会に出場し、ランキング20位ぐらいの選手でした。高学年になると県大会で優勝できるようになり、将来の水泳選手としての自分をイメージするようになりました。
もちろん夢はオリンピックに出場すること。でも実は…水泳が好きではありませんでした(笑)。練習は大嫌い。何度もやめたいと思っていましたが、周囲の人の支えで何とかここまで続けている感じですね。

水泳が思いっきり楽しくなったのは、大学2年のときです。高校までは、ただがむしゃらに泳ぐといった感じで、楽しさを感じている余裕すらありませんでした。しかし大学に入ってからは、体の使い方などの知識を学び、自分なりに泳ぎを工夫するようになりました。結果も自己ベストを更新するなどついてくるようになると、もっと水泳について知りたくなる。そんな探究心が手伝って、今では水泳がとても好きになりました…少し遅いですけれど。

2013年の『デフリンピック競技大会』50m背泳ぎで、世界新記録で優勝。出身の佐賀県から県民栄誉賞ももらい、周囲からも注目される選手になった自覚はあります。今年からはプロとしてエイベックスと契約しました。プレッシャーはかなりありますが、日々の練習から頑張らなければならないなと感じています。

栄養サポートが体をつくる実感

DASHアスリートとして選んでもらい、おもに栄養面でのサポートを受けています。食事のバランスを整えるために、1日に食べた物を写真で撮って、それを栄養管理士に見せて指導してもらうという内容です。
それまでは朝食に一番問題がありまして…。食べてはいたのですが、炭水化物が多くバランスがとても悪かったのです。そこで牛乳や納豆などを摂取するように指導を受け、改善しました。その結果、練習後半の粘りや、体格も大きくなってきたと周りから言われるようになりましたね。確実に効果は出ていると思います。
食事の内容を考えてくれることはもちろんですが、どうしてそのメニューが良いのかという意味まで教えてくれることはとても助かっています。それをわかった上で練習すると、自分で自分の体をコントロールできているという実感が湧きます。

今年から大学院に進学し、水泳と研究に集中する生活になりました。大学院への進学を決めたのは、まだ選手として水泳を続けたいというのが一番の動機ですが、将来ろう者の水泳選手たちの指導をしていきたいので、水泳のことをもっと深く学び、その知識を生かしたいという想いもあります。
尾関先生にアドバイスをいただきながら研究を進めています。でもまだまだ勉強不足。遠征先にも論文など持って行くのですが、練習との両立はできていないのが現状です。これからDASHの学習サポートにも頼りつつ、でも基本的には自分でやらなければいけないことなので、大変ですが頑張ろうと思います。

子どもたちの手本となるような選手に

デフリンピックで注目され、県民栄誉賞をいただいてからはとくに、これまで受けたさまざまな支援を今度は自分で周囲に還元したいと意識するようになりました。私はろう者のアスリートとして良いことも悪いことも経験しているので、それを話すことでろう者の子どもたちが生き生きと暮らすための助けになることができれば嬉しいです。
彼らにスポーツの楽しさ、素晴らしさを経験させてあげたいとも考えています。僕自身ハンデキャップがありながらも、水泳があったからこそ人間関係がうまくいった。スポーツをすることで人とのつながりが濃くなったからだと思います。ですから将来的にはろう者の水泳協会に関わり、そのための活動も積極的に行いたいです。

しかしその前に、今は選手として結果を残すことが大切です。2017年にトルコで行われる次のデフリンピックでは、50m、100m、200mのすべてで金メダルを獲ることを目標にしています。アメリカのライバル選手のタイムが伸びてきているので不安も大きいのですが、絶対に勝つと心に誓って毎日の練習に取り組んでいます。今はそこしか見ていません!

金持義和選手のプロフィールはこちら