アスリートを
心理面からサポート
将来のコーチとしても
優秀なアスリートを育てる

大阪体育大学

学長補佐屋 裕睦

DASHプロジェクトの領域の一つとして、アスリートに対する心理面でのサポートがあります。私はプロジェクト全体の方向性を提案しつつも、心理学やカウンセリングの専門分野でDASHに貢献していきたいと考えています。

心理カウンセリングといえば、何か問題を抱えている選手に対してアドバイスをすることで解決の方向に導くという「マイナスからゼロ」を目指すイメージが強いかもしれません。しかしDASHにおける取り組みでは、例えば日本代表レベルの選手を世界の頂点を目指すマインドに高めるというような、ポジティブな気持ちを一層ポジティブにするサポートが求められます。もちろん一見ポジティブな気持ちで競技に臨んでいるアスリートでも、内面では不安や焦りといった悩みを抱えているかもしれません。悩みは成長の糧です。一見ネガティブに思えるこころの状態を受容し、それをトップを目指す成長のエネルギーに変えていくサポートをしていきます。

またアスリートを心理面からサポートすることは、現時点の競技力を高めることだけを目的にしているのではありません。強い選手を育てるためには、優秀な指導者が必要です。DASHにおいては、指導者の育成にまで視野を広げた展開も目指しています。
アスリートとしての経験は、将来指導者になったときのコーチングに活きてくる。アスリートとして競技力向上を目指す道の先に、コーチとしての資質を磨く下地があるのです。ですから現役のアスリート人生が終わってからではなく、アスリートであるうちにコーチングの勉強をすることが大切です。DASHでは「デュアル・キャリア」という新しい考え方に基づいて、アスリートとしての自分、コーチとしての自分を同時並行的に高めます。引退後を「セカンド・キャリア」として切り分けるのではなく、ひとりの人間としてつながるようなサポートをしていきたいと考えています。

大阪体育大学では、さまざまなアスリートが学んでいます。DASHはトップアスリートの競技力向上を目標に始まりますが、そこで培われたノウハウやデータは、将来幅広く本学の学生アスリート一人ひとりのサポートに応用されていきます。それはつまり、アスリートは社会の財産であり、それを社会に還元することが体育大学としての務めであると考えているからです。アスリートが社会のさまざまな分野で活躍する未来、日本を本当の意味での「スポーツ立国」に導き、すべての国民が幸せを享受できるような世の中にするために、いまDASHはその産声をあげたのです。